神蔵ヶ滝/藤ヶ滝(滋賀県大津市坂本本町/大宮川)・・・2011/07

  神蔵ヶ滝(かまくらがたき)は「愛護の若」という伝説に出てくる衣掛岩(きぬかけいわ)の近くにあるが、その
写真は極端に少ない。また、衣掛岩は地形図などでは林道の右(南方)に記されているので、川の対岸の上部
にわずかに見える岩に気が付く登山者はあまりいないと思う。
 さて、この滝へのアプローチはまず大宮谷林道入口から緩やかな登りの林道を歩き、20分弱の大岩に到達する
ことから始まる。この付近に滝があるのはわかるのだが、林道から谷を覗き込むのが精一杯である。上流の橋から
対岸に渡っても滝の上部が見える程度である。そして、帰り際に大岩の左に何とか降りれそうな斜面を発見した。
 ザイルを使い、川に降りると上流に藤ヶ滝が見えた。撮影後、対岸に目をやると、落葉が積もった踏み跡がある
ことに気づく。下に行けそうだが、谷への滑落の危険もある。恐る恐る対岸を進むと、神蔵ヶ滝とその下の滝が
見えた。下の滝の周辺は広場になっている。まず、そこへ降りたいが、10m程度の土の急斜面か、3m程度の岩か
の選択に迫られる。ザイルは使ったので、手持ちはスリングとアブミしかない。結局、無理は禁物ということで、最初
の所のザイルをスリングとアブミに換え、ここのポイントはザイルを用いて滑りやすい岩を降りた。
 大木が横たわる神蔵ヶ滝は岩の中段から見られる。水量があってなかなかの迫力である。一方、下の滝は広場
から撮影ができ、八ツ淵の滝の大摺鉢みたい形状で釜が美しい。
 神蔵ヶ滝はやはり普通の登山者が立ち寄る場所でないので情報が少ないのである。10mザイル2本が必須で
滑落の危険もあるので、よほどの滝マニアでもない限り、お勧めできない。
■標準的な所要時間
 大宮谷林道入口--(20分)-大岩


*地理院地図を引用(神蔵ヶ滝)

大宮谷林道入口(右) 一ヶ瀬・・・入口から約10分
鉄塔(浄刹結界趾)・・・入口から約15分 衣掛岩(大岩手前から大宮川の対岸に見える。)
林道右手の大岩(これが目標物) 登山道が伸びる悲田谷(右に小滝)
下降点の下流の小滝1 下降点の下流の小滝2
藤ヶ滝・・・下降点の上流(悲田谷との合流点付近)
神蔵ヶ滝・・・撮影場所は狭い。
神蔵ヶ滝下の滝・・・この付近は広場になっていて気持ちがいい。
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