■2020.04 三重県紀北町の往古川は上流に「小木森滝」や「八町滝」などの大瀑があるため、滝屋には名前はよく知られているだろう。ただ、下流の支流は水量が少ないため、注目されることが少なかった。この湯谷も初めて訪問した当時は沢登りの報告が少しあるくらいだった。
湯谷の滝下段も写真で見る以上に立派な滝だが、下段の滝だけではこの滝の良さの4割しか見ていないことになる。初訪の時はこの滝を見て斜面が岩っぽいので、スパ長では無理だろうと少しビビった。今回、下段の滝を左右いずれから巻こうかとじっくり観察した。流身左の岩場は木の根があるがスパ長では無理で、左手前の上部からなら落ち口左にうまく回り込めそうな気がする。なお、右のルンゼは登れそうだが、かなりの大巻きで、川への降下で行き詰まる可能性がある。結局、左から巻くことにした。落ち葉の堆積した急斜面だが、グリップは効く。落ち口付近はかなり高度感で、ルート選択と間違えると簡単に滑落しそうな所で怖い。ファイト一発という感じだ。上段滝が見える場所まで来ると、後は楽だ。滝は高度、水量とも申し分なく、大満足だったが、無事に帰れるかだけが心配だった。帰宅後、撮った写真を見ると、難所付近の写真が全くない。気持ちに余裕がなかったのだろう。今後はこのような危険場所を動画撮影して臨場感をお伝えしたいと考えている。上段の滝は素晴らしいが上級者向きで、慣れない方の単独での挑戦はやめたほうがよい。
■2016.02
湯谷は往古川の左岸支流で、少し上流に滝マークがあります。滝名鑑4000に掲載されているほか、ネットにも沢屋さんの報告があります。2段瀑で奥のほうが立派そうですが、高巻はそれなりにレベルが高く、諦めました。なお、この滝までは石がごろごろして歩きにくいですが、5、6分で到達できます。車の置き場は入口から少し降りた場所がいいでしょう。
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